2011年7月から地上波放送がデジタル放送に切り替えられます。地上波デジタル放送を安く各自に利用できる「無指向性アンテナ」が話題を呼んでいます。そのメリット等についてまとめてみました。
2011年7月から地上波放送がデジタル放送に切り替えられます。地上波デジタル放送を安く各自に利用できる「無指向性アンテナ」が話題を呼んでいます。そのメリット等についてまとめてみました。
2011年7月に現行の地上アナログ放送は終了し、地上デジタル放送に移行されることとなっています。地上デジタル放送は2003年12月から開始され、移行期間である現在は地上アナログ放送と地上デジタル放送の両方を見ることができます。地上デジタル放送の利便性についてはここでは触れませんが、テレビはすっかり生活の一部となり切っても切り離せない存在となっているわけですから、電気や機械が苦手な人でもしっかりこれに追従しておく必要があります。
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テレビ放送を見るには、テレビチューナーで放送電波を受け取る必要があります。その受け取り方にはいくつかあって、それぞれの環境や条件に合わせて選択しているはずです。個人でアンテナを立てる、共同アンテナを利用する、ケーブルテレビに加入する、インターネットを経由するなど・・・本来、地上波放送の受信は無料であり、アンテナさえ立てておけば放送を見ることができるものです(NHKは別な意味で有料ですが)。
しかしながら近年ケーブルテレビ(CATV)等を利用する世帯が多くなっており、自前でアンテナを立てる人が少なくなってきているそうです。
自前のアンテナに対する印象
・受信状態が悪い、映像が安定しない。
・魚の骨のようなアンテナはかっこ悪い。家の景観を損ねる。
・指向性があるので、向きの調節が面倒。
・転倒など安全性が心配。
ケーブルテレビ加入者の不満
・月々の支払いが高く、負担が大きい。
・複数台のテレビでCATVを見る場合、その数だけ機械が必要。
・結局見るのは民放の普通の番組でCATVのチャンネルは不要。
・インターネット等の付加価値もCATVでは不要。
こうしてみてみると、自前のアンテナがイヤだから「やむを得ず」CATVに加入しているケースが多くありそうです。
八木式アンテナをはじめとする従来のアンテナでは、前述のようなマイナス要素がありました。特に外観と設置や調整の問題をクリアするのは難しそうです。またCATV等の費用を我慢して加入している人は自前のアンテナで受信できたらいいと思っていることでしょう。
また、デジタル放送への移行に伴って、電波の送信局の見直しや変更もされていますので、別の送信局からの方が強い電波を受け取れるというケースも出てきます。ですから現在は地上アナログ放送がきれいに映っていても、送信局が変更になったら、その方向にアンテナの向きを変えるなどしなくてはいけません。東京タワーが新東京タワー(スカイツリー)になると現タワーで調整されているアンテナは新タワーに向けて調整が必要となる可能性があります。
こうした話を解決してくれるのが、無指向性アンテナです。無指向性アンテナは、360度の受信特性を持ち、すべての方向から飛来する電波をキャッチできるアンテナです。
無指向性アンテナのメリット
・送信局の位置を気にしなくて済む。
・複数の送信局から受信するときでも無指向性アンテナ1台で済む。
・設置位置や場所を選ばず、取付け場所に自由度がある。
・小さくてコンパクト、美観性に優れている。
・電波状態がよければ、屋外・屋根上でなくても軒下・屋根裏で受信可能。
・取付けに専門技術、大掛かりな工事は不要。
・転倒などの不安も解消。
無指向性アンテナのデメリット
・指向性アンテナに比べて受信可能距離が短い。
・指向性アンテナに比べて価格が高い。
極端に受信状態が悪いエリアには向いていないかもしれませんが、最近発売されている製品は受信感度をぐっと向上させていますし、ブースターを内蔵しているものもありますので、このデメリットも解消しつつあります。価格面についても売れ行きや購入店によって変動するでしょうし、設置工事費などでも差がでることを考えると一概に高いとは言えないでしょう。CATVと比べても数年でもとがとれるのではないでしょうか。
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無指向性アンテナの製品を紹介しておきます。
スコーレ1(SCHOLE1)
フェニックステクノ社(phenix techno)の無指向性アンテナです。無指向性アンテナの弱点であった受信能力を実用に使用できるまでに高めています。これによって地上デジタル放送で懸念される方向維持の問題解決に成功した製品です。
同社からはマリン用(船舶用)MTVスコーレ、車両用のアンテナもラインナップされています。こうした過酷な現場でも使われていることを考えても信頼性が高い製品だと言うことができます。
2011年の完全切り換えに向けて、こうした無指向性アンテナが注目されていくことになるでしょう。スコーレは、小学館「DIME誌(No.24)」で紹介されたり、雑誌等でもとりあげられています。
すべてのケースにおいて最適な製品というわけではありませんので、それを保証することはできませんが、こういうアンテナがあることを知り、検討してみることについては価値があると思います。